映画 「この世界の片隅に」ネタバレなしの感想

この世界の片隅に

先日、「この世界の片隅に」を観に行きました。ある動画の投稿者がこの作品について熱く語っており、大絶賛・ベタ褒めの嵐だったので一体どんな作品なんだと興味を持ちました。

私の近くの映画館では放映してなかったので車で2時間程かかる映画館まで足を運びました。最初は63館だけで上映されていた本作品。

最近はドンドン上映館数が増えて累計200館以上で上映されています。

普通、映画は公開直後がピークでありそこから先は下り坂なのですが、この作品は公開されて約2カ月たった今現在もその勢いを増しています。

そんな「この世界の片隅に」ですが、今回ネタバレなしでちょっとした感想を書いていきたいと思います。

一応この映画の前提としては太平洋戦争末期の広島、呉が舞台であり、主人公であるすずという女の子を中心とした物語だということは先にお話しておきます。

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思ってた映画とはちょっと違った

この作品は戦争を題材にしています。そしてビジュアルを見てみるとこんな感じです。

私「なるほどこういう作品か。なんとなくこの絵を見ればどんな感じか想像つくな。戦争が題材でこういう絵のタッチ。この女の子が戦争に巻き込まれながらも健気に生きていくやつでしょ。そして最後は戦争の悲惨さを訴えかけるやつね。うんうんそれは確かにみんな泣いちゃうよね。」

ぐらいに思っていたのですが、思っていたものと実際の作品の内容はちょっと違っていました。

この作品は日々の日常を淡々と、しかし丁寧に丁寧に描いています。決して戦争が主役じゃないんです。

作中の登場人物達は笑顔をみせます。大笑いもします。戦争の悲劇に登場人物が負けていないのです。暗いだけじゃない。

例え戦時中であってもその中でなんとかやりくりしながら楽しく生活を営んでいます。

主人公のすずさんものほほーんとしており、まるでたんぽぽの綿毛のようにふわりふわりと飛んでいるような感じです。

しかしその丁寧な描写ゆえに戦闘機から放たれる銃撃や爆撃などの描写、その乾いた音の異質さが増し、理不尽な暴力が日常生活との対比により強烈に浮かび上がってくるのです。

直接的な表現は極力避けている

戦争映画なんかだと結構きついシーンが流れたりするんですけどこの作品はできるだけそういうシーンを直接的に見せることはしていません(全くないというわけではないのでそこは注意)。

戦争の悲惨さを伝えるためにはそういうシーンも必要なのは分かります。しかしこの作品はあえてそういったことをせずに見た人に判断をゆだねています。

ここが従来の戦争映画とは違う点になると思います。

しかし画面をよく見てみると生活を営んでいるその風景の中には痛々しい戦争の爪痕が残っています。決して押し付けるわけではなく、こういうふうに伝える方法もあるんだなと感心させられました。

情報量が多いので泣いてると置いていかれる

上映時間が約2時間あるのですが、画面の情報量が多く画面がテンポよくパッパと変わっていくのでちょっと目を離すと置いていかれそうになります。

景色、風景やキャラクターから情報を読み取る能力も結構必要です。

淡々とした日常の中の細かな仕草や表情など感情の表現方法は非常に豊かです。見ているとだんだんアニメのキャラクターだと思わなくなってきます。

その時代、その土地に本当に生きていた血の通った人間に見えるんです。現実に存在していたかのような臨場感があります。

また背景がとても美しく、すずさんが描いた絵が動きだしたりと映像表現も素晴らしいです。情報量が多いので見れば見るほど新しい発見があるタイプの作品です。

この作品は決して戦争をテーマにしているからというだけでこんなに取り上げられているわけではありません。

映像表現や音響、音楽、アニメーション1つ1つのレベルがとてつもなく高いです。

なにやら資金難で泣く泣くカットしてしまった30分を追加した拡張版の製作も決定したようです。この作品に携わった人達の熱意が生んだ結果だと思います。

それにしてもめちゃくちゃよかったもんで漫画の方も上中下3巻買っちゃいました。原作と映画との違いを楽しみたいと思います。

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