なんだかだるい。疲れが取れない。いろいろ試してみたけれど、どれもあんまり効果がなかった。この疲れをどうにかしたい。
いつまでたっても疲れが取れないその原因。実は間違った疲れのとり方をしているせいかもしれません。
「なぜあなたの疲れはとれないのか?――最新の疲労医学でわかるすっきり習慣36」では世間一般に広がっている健康情報は、得てして偏った、間違った情報が大量に含まれていることを指摘しています。
そして、それらに振り回されることのない、科学的に正しいと証明されたことを中心に、疲労解消方法を2択形式で紹介しています。
気になったところを、いくつかピックアップします。
疲れているのは「からだ」ではなく「脳」だった
誰しも1日が終わり家に着くと、全身がぐったりしていると思います。そして、多くの人はこれを「からだが疲れた」と自覚していることでしょう。
「からだのだるさ」以外にも、「肩がこる」、「頭が重い」、「ふらふらする」などの症状が現れているかもしれません。
しかし、最新の疲労研究では、これらの症状すべてが、実は「からだの疲労」ではなく、「脳の疲労」、なかでも「自律神経中枢の疲労」であることが判明しています。
疲れていたのはからだではなく、実は脳だったのです。
私はデスクワークの仕事をしており、よく肩もこりますし、仕事が終わるとへとへとで、からだが何だか重く感じます。
他人と同じ空間の中にいないといけないので、ストレスもたまります。
これらすべての原因は、自律神経中枢の疲労によるものだったのです。
自律神経は交感神経と副交感神経で成り立っている
自律神経は交感神経と副交感神経、この2種類で成り立っており、通常は両者がバランスよく働いています。
不眠症やうつ病など様々な疾患は、自律神経と深く関わっています。
それらの病気は自律神経のバランスが乱れたときに起こるものです。
交感神経、副交感神経がどういったものかを簡単に説明します。
交感神経
交感神経は、別名「闘争神経」とも呼ばれ、心身が活動的なとき、緊張や興奮、ストレスがあるときなどに働きます。
日中仕事をしている時は、この交感神経が優位になっています。
心拍数が上昇したり、汗をかいたり、血圧や体温が上昇するのは交感神経の働きによるものです。
こっちが優位になっている時は、脳の自律神経中枢細胞はフル回転で働いています。
副交感神経
一方、もう一つの副交感神経はリラックスモードで働きます。(中略)心拍数、血圧、体温を下げ、血管は拡張し、発汗は抑えるなどの働きをしてくれます。
また、胃液・腸液の分泌を促して消化吸収をアップさせます。
夜、リラックスしている時はこっちが優位になります。
心拍数、血圧、体温が下がり、脳の活動性も落としています。
副交感神経を優位にする
交感神経優位な状態が、自立神経中枢の細胞、すなわち脳を疲弊させることになるのです。
逆に言えば、交感神経が支配する時間を減らし、副交感神経が優位な状態を多くすれば、日常の疲労を減らすことができるのです。
交感神経が働きっぱなしの緊張状態が続くと、脳が疲れてしまうので、副交感神経の時間を増やす。
できるだけ交感神経を働かせないような状況、習慣作りをすることによって、脳に疲労をためないように心掛ける。
そうすることによって、疲労を解消することができるのです。
一日を過ごすなら家の外より家の中
何の気兼ねもなく自由にくつろげる自分の家(ホーム)と比べ、アウェイすなわち家の外は危険がいっぱいです。
いつどこで不測の事態に遭遇するかわかりませんし、他人の目にさらされることもあって、無意識のうちに常に「緊張状態」を強いられます。
つまり交感神経が常に優位な状態になっているわけです。
私はインドア派なんで基本的に家にいることの方が多いんですけど、休日を無駄に過ごさないようにと考え、どこかへ遊びに行こうと外出する人は注意してください。
疲れがない時はいいですが、疲労でへろへろになった状態で外出し、気分転換をしても逆効果です。
特に見知らぬ土地に行く場合は要注意。家に帰り着く頃にはどっと疲れが出てしまいます。
いつもの通い慣れた場所とかならまだましですけど、結局人の目にさらされますから無意識に交感神経が優位になっているのです。
アウェイで過ごす時間が1日10時間以上もある動物なんて人間だけだと著者は語っていますがその通りだと思います。
疲れている時は大人しく家でゆっくりしましょう。
関連記事:休日何もしなかったからといって落ち込まなくていいんだ
疲れている時は熱いお風呂よりもシャワー というか何もしないで寝る
熱いお風呂に長時間入れば、汗が流れてきます。このとき体内では、体温、心拍、血圧などが大きく変化して、それらを調整する自律神経には過大な負担がかかっています。
その結果、自律神経にある細胞内で活性酸素が大量発生し、細胞が酸化してさびてしまい、疲労が起こるのです。
汗が出るということは、先ほど説明した交感神経が優位な状態になっているということです。
お風呂に入ったらぐっすり寝られるのは、実は交感神経に負担がかかって、疲れてそのまま寝てしまうからなんです。
お風呂にゆっくり浸かりたい人は、せめてぬるめのお湯にしましょう。
体温の上げ下げを穏やかにすることで、自律神経の疲れを少しだけましにすることができます。
衛生面を考えるならシャワー、というか1日ぐらいお風呂やシャワーをしなくても平気な人はそのまま寝ちゃいましょう。
自律神経に余計な仕事をさせずに休ませてあげる。それが自律神経を一番労わってあげる方法です。
紫外線は疲れの元 サングラスで対応を
実は、紫外線が目の表面にある角膜で活性酸素が大量発生して、炎症反応が起こり、その反応が脳を介して全身に伝わります。
そのときに、全身の自律神経が高ぶって一種の臨戦態勢をとります。その結果。自律神経は疲弊し、激しい疲れを生むのです。
「紫外線と疲れってなんか関係あるの?」って思ったんですけど、ここでも自律神経が関わってきます。
紫外線対策と言えば、一般的に日焼け止めクリームを思い浮かべますが、目を防御していないと、肌に紫外線を受けた時よりも全身への影響が大きく、その結果メラニンを生成してしまい、皮膚が黒くなってしまいます。
紫外線対策はまず目を守ることを重視しないといけません。帽子をかぶるのもベターですが、ベストなのはサングラス。
UVカットかつ、色の薄いサングラスを選びましょう。
色が濃いと目に入る光が減って、瞳孔が開き、すき間から入った紫外線は、そのまま目の網膜まで達してしまいます。
疲れをコントロールしよう
仕事中、交感神経を働かせすぎたかなと思ったら、ちょっと一息つきましょう。
疲れてるのに働かせ続けるブラック企業ならぬ、ブラック脳みそにならないように。バランスが大切です。
なにか息抜きをする際も、これは交感神経が優位に働くのか、それとも副交感神経が優位に働くのか考えながら行動しましょう。
疲れをコントロールすることができれば、その分1日の行動の幅を増やすことができます。
毎日へとへとで行動さえ起こすことができないのならば、まずは疲れのコントロールから始めてみましょう。
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